【column】一年を振り返って…編集とライターの対談:AAA、w-inds.、三代目 J Soul Brothers、GENERATIONS〚OUT of MUSIC NEWS〛

【column】一年を振り返って…編集とライターの対談:AAA、w-inds.、三代目 J Soul Brothers、GENERATIONS
※この記事は2013年年末に収録されたものです

OUT of MUSIC編集長:吉田直樹
ライター:桂泉晴名

吉田●桂泉さんには、多くのアーティストさんの取材をしていただいてます。最近では、AAA、w-inds.、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE、GENERATIONS from EXILE TRIBE、などのアーティストの方々の取材が多いです。
桂泉●そうですね。取材させていただいてます。
吉田●桂泉さんにも、ずいぶん、長く、お世話になってますが、ドタバタした現場が多くて、ゆっくり、いろんなアーティストさんについてや、取材現場について、誌面・記事についてなどお話しする機会って、ほぼなかったですよね。ほとんど、必要事項のみの連絡、みたいな感じで(笑)。ですので、今回、取材を振り返りながら、お話しをしていきたいと思っています。
桂泉●はい。

吉田●OUT of MUSICvol.27・AAA表紙の号ですが、あの号で、AAAの音楽的なインタビューが、さらに突っ込めた、という印象でした。読者の方々もそこにすごく反応していたと思います。桂泉さんには、短い時間の中、インタビューしていただいていて。以前は、AAA全員の個人インタビューと、集合インタビューをお一人でやっていただいたこともありました。桂泉さんからみて、AAAの印象はどうですか?
桂泉●アーティストさんはたくさんの人と会って、たくさんの現場をこなしているのに、どこのスタジオで、何月くらいに取材やりましたよね、ということを、AAAのみなさんは、よく覚えてくれています。
吉田●そうですね。
桂泉●先日も浦田(直也)さんのインタビューで、「あのとき、こうでしたね」という話が出ました。
吉田●AAAは、一番最初の取材のとき、最初から桂泉さんですよね?(OUT of MUSIC vol.12)
桂泉●初対面で表紙の取材でした。
吉田●そのとき、個人インタビューも、集合インタビューも、全部担当していただいて。
桂泉●あのときは初対面だったので、個々のキャラクターもあまり分からないような状況で。それでもお一人ひとりまったく違う話ができたので、これはバラエティに富んだインタビューになるんじゃないかな、と思いました。回を重ねていくと、それぞれ皆さんの答え方や特徴も分かってきて。みなさんそうなのですが、西島さんと宇野さんがじっくり考えてから答えてくれたのを覚えています。OUT of MUSIC vol.27では西島(隆弘)さんが宇野(実彩子)さんの声の特徴について、丁寧に分析して話してくれました。正直、仲間だとなかなか冷静に見るのは難しいと思うんです。でも客観的に“ここがすごくいい”と言えるのは強い信頼関係だし、相手のことをよく見ているんだなと思いました。昔、BIGBANGを取材したときに、G-DORAGONさんがメンバーについて的確に表現していたことを思い出しました。(OUT of MUSIC vol.4、OUT of MUSIC BACK TO BEST for 2011)。仲間としても仲が良いけれども、その距離感をうまく保てるのがすごいなと。
吉田●メンバー同士のコミュニケーションの密度とか距離感って、具体的には本当に分からないところだったりするじゃないですか。外で見ている人はもちろん、僕らも話をしていて、“どのくらいそういう話をしているのかな?”とか、“相手をどう見ているのかな?”っていうのはあったりするんですけれど。このvol.27で音楽的な部分をすごくよく話してくれたと思いましたし、それが読んですごく面白かった。
桂泉●集合インタビューのときは、日高(光啓)さんがポイントをまとめてくれる印象があります。
吉田●他のメンバーがそれを分かっている感じですよね。
桂泉●この間、レコード会社で、たまたま日高さんとすれ違ったときに、「おはようございます」と声をかけてもらったのですが、さっとすれ違うときに、人の顔を見て、覚えていて、ちゃんと声をかける。そういう姿勢は本当に学ばせてもらいますね。
吉田●なかなかできることじゃないですよね。日々あれだけ多くの人とかかわっている中でのことですから。
桂泉●それから伊藤(千晃)さんは、インタビュー全体のまとめをお願いしてしまうことが多いです。いつも「いいですよ」と笑顔で引き受けてくれるんですよね。
吉田●実は、OUT of MUSICのインタビューの見出しやタイトルは千晃さんのセリフを使わせてもらっている率が高いです。
桂泉●(末吉)秀太さんは集合インタビューで、話を盛り上げておもしろくふくらませてくれる印象があります。
吉田●秀太くんとは、現場で普通の話はよくするんですけれど、インタビューのときは寡黙な方なのかな、というイメージが僕にはあったんです。
桂泉●個人インタビューは長澤(ライター長澤智典)さんがずっと担当されているので。そのへんは長澤さんにお聞きしたいな、と思いますね。
吉田●浦田くんは、桂泉さんがインタビューご担当でしたが。
桂泉●浦田さんはメンバー全員をよく俯瞰で見て、温かいお兄さんというイメージがあります。與(真司郎)さんとのバランスが印象的です。與さんは最初にインタビューしたときと、歌に対する思いが変化していると僭越ながら感じていて。その與さんの変化をちゃんと浦田さんは言葉にしてくれるので。私にはなんとなくしか分からなかったことを、“彼はこういう変化を経てこうなったんです”と言われたので、そういうことだったんだと納得しました。
吉田●宇野さんも桂泉さんがご担当の場合が多いですよね。Vol.27は違いますけれど。
桂泉●宇野さんが全体インタビューのときに、“自分たちの思いがアルバムに今まで以上に反映されている”とコメントしていて。皆さんのお話を一つ一つ聞いていくと、強い思いがアルバムに表れているんだ、ということを宇野さんの言葉で感じました。
吉田●もちろんそれぞれ想いがあって、作品に出ている。それが実感できる感じでしたよね。
桂泉●AAAは半年かけて全国ツアーをして、ソロの活動もして。みんな忙しいけれども、その中でAAAとしてどうやって進んでいこうかとお互いに話している内容が1番面白いです。10周年に向けても、そういったところを取材していけたらいいですね。

吉田●w-inds.も『OUTofMUSIC』ではよく登場していただいてます。
桂泉●w-inds.は、吉田さんに語っていただいた方が……。
吉田●いえいえ。お付き合いさせていただいている期間は長いですけど…。w-inds.のデビュー前、葉山(葉山拓亮)くんがスタジオでレコーディングしているところに、お邪魔したときに、初めてお会いしました。2013年はそれぞれソロ活動もあって、個人個人のインタビューがありました。
桂泉●それぞれ一人ずつインタビューというのは、あまり過去になかったので。撮影現場でソロインタビュー、集合インタビューみたいな、インタビューというのはあったんですけれど。(緒方)龍一さんがvol.28のインタビューのときに、“バンドをすることによってファンの方のことを母のように思えるようになった”と言われていて。それはバンドとダンス&ヴォーカルグループの両方を経験したがゆえに、また新たな見方を得た、というのがよく分かる言葉でした。
吉田●確か“母のように見守っている”についてのファンの人のツイートもありましたよね。そこをやっぱりファンの人もひっかかってくれていたんだと…。
桂泉●もちろん龍一さんはそれまでもバンドをやっていたけれど、バンドでメジャーデビューをして、また新たなファンの方々とのかかわり方、またパフォーマンスの仕方に対する意欲が変わった、とお話されていたので。そういうところも、これからすごい楽しみですよね。
吉田●涼平くんの『The Shot』は見ていますよね。
桂泉●涼平さんのソロインタビュー(OUT of MUSIC vol.26)は、あんなにお話してくださるとは……。
吉田●3人いると、2人が邪魔するからでしょう(笑)?
桂泉●いえいえ、そういうわけでは(笑)。w-inds.とソロ活動について、涼平さんの中ではっきり分けている、意識をガラっと変えている、というお話を聞いて驚きました。ソロは自分で出せる色を徹底的に出して、w-inds.はw-inds.で自分のビジョンがあって、そこに向かってやっているんだ、ということが聞けたのが良かったですよね。2つを真剣に考えているゆえに、“これは絶対にやらない”とか、そういうこだわりを持っているんだ、と。
吉田●慶太くんのソロもインタビューさせていただきました(OUT of MUSIC vol.27)。
桂泉●慶太さん独自のシュッとしたスタイリッシュ感とか、ご自身の中で描いていたものが、すごくよく出ていましたよね。これまた、明らかにw-inds.と違う。
吉田●慶太くんの場合は、無理やり分けるでもなく、自然体で自分の向いている方向を素直に出して、w-inds.とまた違うというところを見てもらうか、というところだと思うんですけれど。
桂泉●デビュー前から見ている吉田さんからみて、w-inds.は変わったと思われますか?
吉田●昔のPVとか見れば大きくなったなあとは思いますけれど(笑)。3人の関係は全然変わっていないという感じがします。昔の撮影現場では慶太くんが龍一くんとじゃれていて、その横で涼平くんが冷静に見ていたり(笑)。
桂泉●そんな感じだったんですね。vol.28でも相変わらず慶太さんが涼平さんを笑わせて。
吉田●撮影自体も、このときは久しぶりでした。笑わせてばかりだったので、涼平くんの写真が少なくなっちゃって。それに引きずられて、他の2人のカットも減りましたけれど(笑)。でも、笑っているいい写真がありました。
桂泉●自然でいいですね。
吉田●素が感じられる。仲良いですよね。ライヴのMCも、そんな雰囲気が出ていて、ステージとしてはきっちり、世界を決めてやっているけれど、MCになると、急にプライベート感が出ます。

吉田●ダンス&ボーカルユニットでいうと、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE、GENERATIONS from EXILE TRIBEも、取材させていただいてます。
桂泉●GENERATIONSの皆さんは最初にPVを観たときに、すごい人たちが出てきたな、と衝撃を受けて。スピード感のあるダンスに、新しい、まさにGENERATIONS(世代)だと思いました。また片寄さんと数原さんのヴォーカルがすごい。数原さんは切なさと男らしさがあって、片寄さんは明るくまっすぐ伸び伸びとした感じがあって。これからますます楽しみなグループですよね。
吉田●選ばれた感、エリート感が半端ない感じがしますね。GENERATIONSもそうですし、三代目 J Soul Brothersも。
桂泉●三代目 J Soul Brothersは今の時代感というのがすごく出ている、と感じました。それから華やかさ。

吉田●華やかでした。OUT of MUSIC vol.22ですよね。颯爽とした感じ。本人たちも本当に爽やかで、礼儀正しくて、ポジティブだし、優しい人たちでしたし。その前に僕はライヴを見ていて、ライヴでも同じ感じがしていましたね。ショーとしてライヴとして密度の濃い、内容の濃いものでしたけれど、それでもフレッシュさがあって。やっぱりいいな、と思いました。
桂泉●個々のパフォーマーの方たちのダンスが違う、というところの魅力があるし。また日本のダンスカルチャーが変化していて、今の高校生とかは小さい頃から踊っているから、当たり前みたいになってきて。でもそれは先輩たちが試行錯誤しながらダンスの文化を作り上げた中であるものだし、それは先輩後輩でつながっていっているんだ、といったことをインタビューでいろいろ教えてもらったので。まさに日本の変化がアーティストの中で脈々とあって。『OUTofMUSIC』はダンス&ヴォーカルグループを何組か取り上げているので、話がリンクしたり、他で聞いたことがつながったりしますね。

 
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